2023年度楽季ラインナップ発表
ニュース 2023年度の都響は、新しい時代へ向かっての希望を込めた意欲的なプログラムをお届けいたします。
音楽監督 大野和士はマーク=アンソニー・ターネジの《タイム・フライズ》をコロナ禍による2度の延期を経て、満を持して日本初演。また【レーガー&ラフマニノフ生誕150年記念】と題し、晩年のレーガーと若きラフマニノフの作品を取り上げます。首席客演指揮者 アラン・ギルバートは、ニューヨーク・フィル音楽監督時代から熱心に取り組んできたニールセンの交響曲を披露。またベートーヴェン「第九」に登壇し、祝祭を響かせます。【ブルックナー生誕200年に向けて】では、2024年にかけて継続的にブルックナーの交響曲を演奏。終身名誉指揮者 小泉和裕は円熟のタクトでブルックナーの交響曲第2番を指揮します。そして桂冠指揮者 エリアフ・インバルは【インバル/都響第3次マーラー・シリーズ①】と題し、3度目の交響曲全曲演奏に取り組みます。インバル×都響の新たなるマーラー探求の旅をご期待ください。
顔ぶれ豊かな客演指揮者陣も見逃せません。山田和樹の待望の三善晃・反戦三部作、尾高忠明の格調高いエルガー2番、ヴァンスカのシベリウス交響曲集、ミンコフスキと下野竜也のブルックナー。ゲッツェル、レネス、アクセルロッド、ヴィト、大友直人と魅力的なソリストたち。そして何と言ってもジョン・アダムズによる自作の指揮はまさに「事件」。記憶に残る公演となること間違いなしです。
2023年度も当団公演にご注目賜りますよう、お願いいたします。
2023年度会員券について
2022年度会員の皆様へ2023年度会員券へのご継続のご案内を2022年10月12日頃にお届け予定です。
一般発売:11 月 9日(水)10 時 会員先行発売:10 月26 日(水)10 時 会員の方へ
音楽監督 大野和士 メッセージ|2023年度楽季プログラムについて
都響会員の皆様、熱いファンの皆様、また音楽鑑賞教室で都響と出会う若い聴衆の方々のために、2023/24シーズンのプログラムをお知らせできますのをこの上ない喜びと感じております。
新しいプログラムには、未だこの3年間の難しい時期の影響が、プログラムの置き換えや、やっと出会える指揮者、ソリストの皆さんとの共演に見られますが、全体としては、新しい時代に向かっての始動を感じていただけるプログラムを並べましたので、心からお楽しみいただけると幸いです。
私が指揮を執る演奏会としては、都響音楽監督就任の際にも演奏した、マーラーの交響曲第7番(4/13定期B)をもって新シーズンの幕開けとします。宇宙的な規模を持ち、現実的な次元を遥かに超えたようなこの曲を再び演奏できることに大変意義を感じております。
また、2つめの定期(4/21定期A)では、都響のために書かれた「Tokyo Time」を含むターネジ《タイム・フライズ(Time Flies)》をようやく初演。エルガーの《エニグマ変奏曲》との間には、2021年ジュネーヴ国際音楽コンクール・チェロ部門で優勝した上野通明さんのソロで、コンクールのファイナルで演奏したルトスワフスキのチェロ協奏曲を演奏します。ソロとオーケストラの間に飛び散る激しい火花をとくとご覧あれ。
10月の定期(10/14定期C)では、ジェイムズ・デプリースト(都響常任指揮者/在任2005年4月~2008年3月)没後10年の記念コンサートとして、マエストロが最後に都響を指揮したコンサート(2009年12月)でもソリストを務めたイザベル・ファウストが、曲目も同じシューマンのヴァイオリン協奏曲で登場。集中力とロマンに満ちたこの協奏曲を、マグヌス・リンドベルイがベートーヴェン生誕250年記念(2020年)の際に作った、ベートーヴェンのモティーフを散りばめた曲《アブセンス》とベートーヴェン第7番が包みます。
12月の定期(12/7定期A、12/8定期C)には、レーガー、ラフマニノフ生誕150年記念年なので、象徴派の画家ベックリンにまつわる作品を特集します。というと多くの方々が、ベックリンの絵からラフマニノフが作曲した《死の島》を思い浮かべるかと思いますが、今回は不吉な予感を想起させる絵画4作全てに作曲を施したレーガーの《ベックリンによる4つの音詩》を選び、ラフマニノフの方は、名ピアニストのニコライ・ルガンスキーを招き、彼(ラフマニノフ)の“青春の歌”とも言える、ピアノ協奏曲第1番をレーガーと組み合わせました。そして、若いラフマニノフと晩年のレーガーをシューマンの交響曲第4番が心優しく見つめます。
さて、都響の誇る指揮者陣も引き続き、魅力的なプログラムで大いに湧かせてくれることでしょう。
名匠エリアフ・インバルは、ショスタコーヴィチ第9番と、得意のバーンスタイン第3番《カディッシュ》(2/16定期B、2/17都響スペシャル)。そして特筆すべきは、彼が御年88歳にして、都響とマーラーの交響曲に戻ってきてくれます。まずは、第10番(デリック・クック補筆版)です(2/22定期C、2/23都響スペシャル)。“まずは”という言葉で、既に期待される方も多いと思いますが、今後の展開にどうかご注目を。
アラン・ギルバートは、ベルリン・フィル首席ホルン奏者のシュテファン・ドールとモーツァルトで共演します(7/19定期A、7/20都響スペシャル)。その後に彼と都響がどのようにアルプス(R.シュトラウス《アルプス交響曲》)を登っていくのかにも興味が湧きます。そのほか、世界的ピアニストのキリル・ゲルシュタインとラフマニノフのピアノ協奏曲第3番での共演(7/15プロムナード)も楽しみですし、ベートーヴェンの第9番(12/24・25・26都響スペシャル「第九」)も指揮をしてくれることになりました。
都響は、2023年よりブルックナー生誕200年(2024年)に向けて連続上演を企画していますが、小泉和裕さんはブルックナーの第2番で登場(10/20定期B)。プロコフィエフの第5番(11/24定期A)も輝かしい演奏となることでしょう。
客演指揮者では、マルク・ミンコフスキが4年ぶりの登場、コロナ禍でキャンセル(2021年9月)となった待望のブルックナーの第5番(6/25定期C、6/26定期B)を指揮します。
ローレンス・レネスも都響との共演が増えてきました。前回(2021年9月)来日できなかったヴィオリストのタベア・ツィンマーマンとたっぷり協奏曲を聴いていただいた後、ラフマニノフ(9/23定期C)とプロコフィエフの大曲(9/18プロムナード)を披露します。
サッシャ・ゲッツェルは、先日新国立劇場で指揮したオペラ『ばらの騎士』(2022年4月)は名演でした。薫るような、コルンゴルトの《シンフォニエッタ》、人気ヴァイオリニストのネマニャ・ラドゥロヴィチとの協奏曲(ベートーヴェン)の共演(9/8定期B)もお楽しみに。
また、アントニ・ヴィトのペンデレツキ、それに反田恭平さんとのラフマニノフ(12/19定期B)はお聴き逃しなく!
オスモ・ヴァンスカが指揮するプログラム(10/30定期A)を見ると、期待に胸が震えます。シベリウスの第5、6、7番。このプログラムを引き受けてくださり、心からの謝意を表したいと思います。
さらにジョン・アダムズの来日と指揮(1/18定期B、1/19定期A)は、音楽界の話題をさらうでしょう。私も彼の作品を多く指揮してまいりましたが、ご本人から手取り足取り教わったことを昨日のように覚えています。彼が彼の曲を指揮するというのをオーケストラも体験し、それを皆様のもとにお贈りできるのを本当に幸せに感じております。
都響の2023/24シーズンにどうかご期待くださいますよう、心からお願い申し上げます。
2023年度楽季プログラム
※新型コロナウイルス感染症の流行状況の変化等により、公演中止および出演者・曲目等が変更になる場合があります。
必ずご購入前に「ご案内事項」をご確認ください。
(2023年10月7日現在)
▼回数の部分をクリックすると公演詳細ページが開きます。
定期演奏会Aシリーズ 東京文化会館 各回19:00開演(全8回) *9/3(日)のみ14:00開演 | |
第973回 指揮/大野和士 ターネジ:タイム・フライズ(Time Flies)(2020)[都響、BBCラジオ3、NDRエルプフィル共同委嘱作品/日本初演] |
第975回 指揮/山田和樹 【三善晃生誕90年/没後10年記念:反戦三部作】 |
第979回 7/20都響スペシャルと同演目 指揮/アラン・ギルバート ウェーベルン:夏風の中で―大管弦楽のための牧歌 |
第980回 ★この回のみ14時開演 指揮/サッシャ・ゲッツェル
リャードフ:ポロネーズ ハ長調op.49-プーシキンの思い出に- |
第985回 指揮/オスモ・ヴァンスカ シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82 |
第987回 指揮/小泉和裕 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23 |
第988回 12/8定期Cと同演目 指揮/大野和士 【レーガー&ラフマニノフ生誕150年記念】 |
第993回 1/18定期Bと同演目 指揮/ジョン・アダムズ ジョン・アダムズ:アイ・スティル・ダンス(2019)[日本初演] |
定期演奏会Bシリーズ サントリーホール 各回19:00開演(全8回) | |
第972回 指揮/大野和士 マーラー:交響曲第7番 ホ短調 |
第976回 指揮/尾高忠明 ラフマニノフ(レスピーギ編曲):絵画的練習曲集より《海とかもめ》 op.39-2 |
第978回 6/25定期Cと同演目 指揮/マルク・ミンコフスキ 【ブルックナー生誕200年に向けて】 |
第981回 指揮/サッシャ・ゲッツェル ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61 |
第984回 指揮/小泉和裕
【ブルックナー生誕200年に向けて】 |
第990回 指揮/アントニ・ヴィト キラール:前奏曲とクリスマス・キャロル(1972) |
第992回 1/19定期Aと同演目 指揮/ジョン・アダムズ ジョン・アダムズ:アイ・スティル・ダンス(2019)[日本初演] |
第971回 2/17都響スペシャルと同演目 【マエストロ・インバル88歳記念】 ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 op.70 |
定期演奏会Cシリーズ 東京芸術劇場コンサートホール 各回14:00開演(全8回) | |
第974回 指揮/小泉和裕 ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲 |
第977回 6/26定期Bと同演目 指揮/マルク・ミンコフスキ 【ブルックナー生誕200年に向けて】 |
第982回 指揮/ローレンス・レネス サリー・ビーミッシュ:ヴィオラ協奏曲第2番《船乗り》(2001)[日本初演] |
第983回 指揮/大野和士 【ジェイムズ・デプリースト没後10年記念】 |
第986回 指揮/ジョン・アクセルロッド シルヴェストロフ:沈黙の音楽(2002) |
第989回 12/7定期Aと同演目 指揮/大野和士 【レーガー&ラフマニノフ生誕150年記念】 |
第991回 指揮/下野竜也 【ブルックナー生誕200年記念】 |
第995回 2/23都響スペシャルと同演目 指揮/エリアフ・インバル 【インバル/都響第3次マーラー・シリーズ①】 |
プロムナードコンサート サントリーホール 各回14:00開演(全5回) | |
No.402 指揮/小泉和裕 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 op.26 |
No.403 7/14都響スペシャルと同演目 指揮/アラン・ギルバート ニールセン:序曲《ヘリオス》op.17 |
No.404 指揮/ローレンス・レネス モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622(ヴィオラ版) |
No.405 指揮/大友直人 サン=サーンス:交響詩《オンファールの糸車》op.31 |
No.406 指揮/エリアフ・インバル ブラームス:大学祝典序曲 op.80 |
特別演奏会・その他 | |
名古屋公演 指揮/大野和士 マーラー:交響曲第7番 ホ短調 |
都響スペシャル(7/14) 7/15プロムナードと同演目 指揮/アラン・ギルバート ニールセン:序曲《ヘリオス》op.17 |
都響スペシャル(7/20) 7/19定期Aと同演目 指揮/アラン・ギルバート ウェーベルン:夏風の中で―大管弦楽のための牧歌 |
都響スペシャル(10/7) 指揮/大野和士 ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15 |
都響スペシャル「第九」(12/24)(12/25)(12/26) 指揮/アラン・ギルバート ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125《合唱付》 |
都響スペシャル(2/17) 2/16定期Bと同演目 【マエストロ・インバル88歳記念】 ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 op.70 |
都響スペシャル(2/23) 2/22定期Cと同演目 指揮/エリアフ・インバル 【インバル/都響第3次マーラー・シリーズ①】 |