楽員紹介 - 都響について
チェロ
清水詩織 (しみずしおり) Shiori SHIMIZU
(2010年6月1日入団)
7歳よりチェロを始める。桐朋女子高等学校を経て、2008年、桐朋学園大学音楽学部演奏学科を卒業。2010年3月、桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程を修了。2002年、いしかわミュージックアカデミーにてIMA音楽賞を受賞。2006年、第7回ビバホールチェロコンクール第4位入賞。
チェロを毛利伯郎氏に、室内楽を徳永二男、原田幸一郎、毛利伯郎、東京クヮルテットの各氏に師事。現在、東京都交響楽団団員。
チェロを毛利伯郎氏に、室内楽を徳永二男、原田幸一郎、毛利伯郎、東京クヮルテットの各氏に師事。現在、東京都交響楽団団員。
私の音楽はじめて物語
7歳の時に毛利伯郎先生(読響ソロ・チェロ)に見ていただけることになり、親に「どうする?」と聞かれたんですが、子ども心にもなぜかヴァイオリンを続けることが想像できなくて、「チェロをやりたい」と答えました。毛利先生はお忙しくて、小さな子はあまり教えていらっしゃらなかったのですが、初めてお会いした時に一目で気に入ってくださって(笑)。とても可愛がっていただいて、私、チェロは毛利先生にしか習ってないんです。第2のお父さんみたいな存在ですね。「もっともっと! 自由に弾いて!」と、すごく褒めてくださるレッスンで、嬉しくて。小5の発表会ではハイドンのチェロ協奏曲第1番を弾いたり、楽しくも頑張っていました。
一方で身体を動かすのも好きで、小学生の時はバレエもやりましたし、体育では卓球とか好きでしたね。中学ではバスケットボール部に入りたかったんですが、突き指をするのでマズイなと。中1から桐朋「子供のための音楽教室」にも通い始めた(週1回/土曜)ので、土曜に練習がなくて手を傷めない運動部を探した結果、剣道部に入りました。甲手を着けるので、意外と手は大丈夫なんです。中学で3年間剣道をやり、段も取りましたし、なかなか青春したつもりです(笑)。
実は小6の時に、親に「音楽の道に行くかどうか決めなさい」と決断を迫られたことがあって。でも音楽をやめることは考えられなかった。特に受験準備を意識したことはないんですが、ピアノも続けていましたし、「子供のための音楽教室」でソルフェージュや楽典もやりましたから、わりとすんなりと桐朋高校へ進んだ感じです。
高校・大学時代は室内楽に夢中になりました。高校の時、室内楽の講習会が桐朋の富山校舎であって、10日間ほど朝7時から夜10時ころまでブラームスのピアノ五重奏曲を練習したことがあります。大変でしたけど、楽しかったし、とても勉強になりましたね。当時、「将来オーケストラへ入ろう」とは全く考えていませんでした。
大学4年で初めてエキストラに行き、読響で《英雄の生涯》を弾いて、改めてオーケストラの魅力に触れた気がします。響きと厚み、チェロならではの和声感。そんなこともあって、大学卒業後は桐朋オーケストラアカデミーで2年間勉強。並行して都響や読響、N響などへエキストラに行き、この時期にオーケストラを本当に好きになりました。アカデミー2年目の冬に都響のオーディションを受け、入団は2010年です。都響はとても充実していて、チェロ・セクションも素晴らしいので、まずここで弾けることが幸せですね。まだまだ経験が浅いので、たくさんの曲をやっていきたいですし、トゥッティの中でも自分らしさを活かしつつ、これからも楽しくチェロを弾いていけたらなと思います。
(『月刊都響』2013年1・2月合併号 取材・文/友部衆樹)