楽員紹介 - 都響について
第2ヴァイオリン
酒井 幸 (さかいゆき) Yuki SAKAI
(2019年12月1日入団)
桐朋学園大学音楽学部卒業、同大学研究科修了。研究科在籍中、新日本フィルハーモニー交響楽団契約団員。石戸寛子、牛山正博、物集女純子、鈴木亜久里、恵藤久美子、海野義雄の各氏に師事。2019年東京都交響楽団入団。
私の音楽はじめて物語
小学生時代はバスケットやバドミントンをやったり、3歳から水泳も続けていましたので、身体を動かすことが好きでしたね。活発な女の子でした。
地元の公立中学校へ進みましたが、基本的に帰宅部。ヴァイオリンは中1から牛山正博先生に替わり、週1回、韮崎まで通いました。難しい曲をやるようになって大変でしたけど、1人で特急に乗って通うのはちょっとした旅行気分で。レッスンで教えていただいたことを反省しながら帰る日々でした。中2の時、松本の発表会で、弦楽合奏の伴奏でモーツァルトの《トルコ風》第3楽章のソロを弾かせていただき、緊張しましたがとても良い思い出になっています。
玉川学園高等部へ進学。決定的だったのは、高1の夏に「都響とティーンズのためのジョイントコンサート」へ参加したことです。デプリーストさん指揮で《大学祝典序曲》。コンサートマスターをさせていただき、オーケストラの響きと迫力にものすごく感動して、衝撃を受けました。この1回の体験でオーケストラが大好きになって、将来はオーケストラに入ろう、と決心。
9月から音楽大学の受験準備を始め、物集女(もずめ)純子先生、高2から鈴木亜久里先生に替わり、ヴァイオリンの構え方から、演奏の基礎をイチから教えていただきました。ソルフェージュも始め、ピアノは小学校の時に少しやっただけで改めて再開したので大変でした。
桐朋学園大学に合格。大学1年と研究科(1年)は海野義雄先生、大学2~4年は恵藤久美子先生に師事しました。大学1年からオーケストラの授業があり、最初の公演は十束尚宏先生指揮で《英雄の生涯》。以来、オーケストラの授業は毎回待ち遠しかったですね。
室内楽にも夢中になり、副科でヴィオラも弾いていましたので、ダブルケースを背負って校内を走り回っていました。一生懸命な毎日で、学生時代は一瞬で過ぎ去った感じです。
研究科時代の終わりに3ヵ月、新日本フィルの契約団員を務め、卒業後はフリーで6年間、活動しました。6年は長かったですが、エキストラとして様々なオーケストラへ行き、たくさんの曲を経験できたのは良かったと思います。
初めて都響のオーディションを受けたのは2016年。翌年からエキストラとしてお世話になる機会が増え、合格したのは2019年5月の3回目のオーディションでした。試用期間を経て入団は12月です。高校1年以来15年の思いが実り、自分が今ある全てを決めてくれた都響の中で弾けることが本当に幸せですね。これからも理想の音を追求して、日々努力していきたいと思います。
(『月刊都響』2021年9月号 取材・文/友部衆樹)