楽員紹介 - 都響について
フルート
中川 愛 (なかがわあい) Ai NAKAGAWA
(2013年4月1日入団)
私の音楽はじめて物語
次の習い事をどうしよう、という話になった時に、「クラリネットかフルートがいい」と自分で言ったらしいのですが、なぜ楽器の名前を知っていたのか、記憶にありません。学校の授業でやっていたリコーダーは好きでしたし、いとこがフルートをやっていて楽器を譲ってくれることになったので、それじゃフルートにしよう、と。名古屋市内のカルチャーセンターにフルートの教室があったので、小4の4月から通いました。師事したのは大西圭子先生です。
ただ当時、私は身体が小さくて、楽器のポジションまで手が届かなかったので、最初の2ヵ月はリコーダーをやることに。次の3ヵ月はフルートの頭部管しか吹かせてもらえず、これはつらかったですね。秋になって、ようやく楽器を全部組み立てて吹いた時は、ただただ嬉しかったのを憶えています。
地元に名古屋青少年交響楽団というジュニア・オーケストラがあって、小5の時にオーディションを受けて入り、高2まで在籍しました。いろいろな曲を演奏できて、今でも本当に糧になっていますし、オーケストラが大好きになりました。中2のころ、外山雄三《管弦楽のためのラプソディー》でソロを吹かせていただいたのが思い出に残っています。
音楽高校受験を決め、中3から大海(だいかい)隆宏先生に師事、愛知県立明和高校音楽課程へ進学。大海先生には引き続き高校でレッスンを受けました。大学は東京へ出たかったので、高2の終わりから細川順三先生に師事、東京まで月1回くらいレッスンに通いました。
東京音大へ進み、学部では細川先生、研究科(2年間)では梅津正好、植村泰一(やすかず)、斉藤賀雄(よしお)、と先生方に恵まれ、さまざまな研鑽を積むことができたのは得難い経験だったと思います。寺本義明先生には中学時代からレッスンを受け、要所でアドヴァイスをいただいてきましたので、今、都響でご一緒できているのは本当に幸せです。
研究科を修了した4月(2003年)に東京交響楽団のオーディションを受けて入団、10年ほど在籍しました。スケジュールが忙しいオケでしたが、オペラをはじめ多くのレパートリーを演奏できたのは大きな財産になっています。
2012年末に都響のオーディションがあり、運良く合格して翌年4月1日付で入団しました。リハーサル初日のクオリティの高さ、本番に向けての集中力とエネルギーの大きさ、厚みのある響きにだんだん慣れて、少し落ち着いてきたところですね。今後も皆さんと良い音楽を作っていければ、と思っています。
(『月刊都響』2014年3月号 取材・文/友部衆樹)