森山涼介

チェロ

森山涼介 (もりやまりょうすけ) Ryosuke MORIYAMA

(2010年5月1日入団)

愛知県豊田市出身。東京藝術大学を経て、同大学院修士課程を修了。在学中、藝大フィルハーモニアと共演。第8回ビバホールチェロコンクール特別賞(井上賞)、原村室内楽セミナーにて「緑の風奨励賞」「ハイドン賞」を受賞。「JTが育てるアンサンブルシリーズ」「六花亭ホール・期待の若手シリーズ」などに出演。これまでに久保田顕、林良一、林俊昭、北本秀樹、山崎伸子の各氏に師事。2010年より都響チェロ奏者。

私の音楽はじめて物語

発表会で(小3ころ)
発表会で(小3ころ)
 初めて出会った楽器はピアノです。姉(2歳上)が習っていたので、自分も近所のピアノ教室に4歳ころから通いました。でも、あまり合わなくて、1~2年でやめています。
幼稚園の年長の時に、園で音楽鑑賞教室みたいなものがあって、管弦打楽器の小さなアンサンブルを聴いたんです。それで弦楽器に興味を持ち、母がいろいろ探してくれて、最初に行ったのがギター教室。でもそこでは子ども用の分数楽器がなくて「小さな子は教えていません」と言われ断念。
次にスズキ・メソードのヴァイオリン教室へ行ったのですが、生徒の弾く音色と、男の子が少なかったことに気がひけ、さらに楽器を首に挟んでいるのが苦しそうだと思ってしまった(笑)。その教室の先生が、同じスズキ・メソードのチェロ教室を紹介してくださって、見学に行きました。これがチェロとの出会いです。
初めてチェロを見た第一印象は、弾いている姿が格好いいなと。音色にも魅力を感じましたし、男の子の生徒が多かったことにも惹かれました。こうして、小1から久保田顕先生のもとで、チェロを習い始めました。
始めたころから、将来はチェリストになりたいな、と思っていました。もちろん漠然としたもので、子どもの夢みたいなものでしたけれど。
小5の時、豊田市ジュニアオーケストラが設立されて入団、高校まで在籍しました。オーケストラに関心を持ったのは、ジュニアオケがきっかけです。スズキ・メソードは耳から憶えて弾くことが中心で、あまり楽譜を読む習慣がなかったので、最初は苦労しました。もっと別の勉強が必要かもしれない、と林良一先生(名古屋市立菊里高校音楽科)に替わったのが小6の時。
音楽高校に進学したいと、菊里高校の受験を決めたのが中3の夏。それからピアノをやり直し、ソルフェージュも始めましたが、さすがに間に合わず、不合格。進学したのは普通高校です。音楽高校に入れないくらいじゃ、チェロを続けていていいのかな、と一時迷いましたけれど、すぐに音大を目指すことに気持ちを切り替えました。
東京藝大の受験に向けて、澤クヮルテットの林俊昭先生に師事、林良一先生のレッスンも続けていたので、高校時代は2人の林先生にお世話になりました。
無事、東京藝大へ入学。大学から大学院にかけて、我ながらよく練習したと思います。室内楽にも熱中し、周りの仲間から受けた影響はとても大きかったように思います。また、指導をしていただいた北本秀樹先生、山崎伸子先生との出会いは、とてもかけがえのないものです。
大学院2年の3月(2010年)に都響のオーディションを受けて合格。入団は同年5月です。皆さん個性が強く、音楽や技術も素晴らしい人ばかりなので、その中で弾けるのはとても刺激的ですね。都響の中で多くのことを学び、自分の成長が都響のより良い演奏へとつながれば、と考えています。

(『月刊都響』2013年12月号 取材・文/友部衆樹)

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