小林久美

第2ヴァイオリン

小林久美 (こばやしくみ) Kumi KOBAYASHI

(1999年1月1日入団)

 東京藝術大学卒業。
 これまでに、田中千香士、大谷康子、景山誠治の各氏に師事。
 第37回全日本学生音楽コンクール東日本大会にて、奨励賞を受賞。
 京都フランス音楽アカデミー、霧島国際音楽祭、スイス・シオンミュージックフェスティバル等に参加。長野県新人演奏会、全日本演奏家協会主催推薦コンサート、アカデミカ・ルネックス主催新人演奏会などに出演。1999年1月、東京都交響楽団に入団。

私の音楽はじめて物語

発表会で(小学5年)
発表会で(小学5年)
 ヴァイオリンを始めたのは3歳半の時。母がヴァイオリンを好きで、まず兄(4歳上)が習い始め、それを見た私が「どうしてもやりたい」と言ったそうなんです。全く覚えてないんですが(笑)。
 小さなころは松本市に住んでいて、才能教育研究会(スズキ・メソード)へ通いました。5歳のころ長野市へ引越して、そこでもスズキ・メソードの教室へ。曲をどんどん進んでいけるのが楽しくて、毎日一生懸命弾いていましたね。スズキ・メソードって、良い演奏をいっぱい聴かせるんです。オイストラフのカセットテープを寝る前に必ず聴く、みたいなことをしていて、すると音をただ並べるのではなく「音楽的に」弾きたくなる。そんなことが身についた気がします。
 小学5年の時から、大谷康子先生に師事しました。当時、長野市へ月1〜2回教えにいらしていたので。楽器の構え方から何から全部直されたんですが、コンクールを勧められて、学生音楽コンクールなどをたくさん受けるようになりました。やがて大谷先生がお忙しくなり、長野まで来られなくなったので、中学生ころから東京までレッスンに通いました。
 地元の普通高校へ進学したころ、レッスンを受け始めたのが田中千香士先生。先生は東京藝大で教えていらしたので、そのまま藝大を受験することに。今思うと、本当に良い先生に巡り会えて、自然と音楽の道へ導いていただけた気がします。
 大学で師事したのは景山誠治先生で、先生は当時まだ20代後半。現役バリバリという感じで、レッスンでも目の前で弾いてくださることが多くて、すごく良い経験になりました。
 大学卒業後しばらくはフリーで活動していて、オーケストラのエキストラをやったり、海外の講習会に行ったり。それで5〜6年経ったころ、先に都響に入っていた大学の同級生・海和伸子さんが「今度、都響のオーディションがあるよ」と教えてくれて。運良く通ることができて、入団は1999年です。
 最初は第1ヴァイオリンで入って、その後第2ヴァイオリンへ移りました。内声の役割は大きいですし、やりがいを感じています。
 入団したころに始まった、ベルティーニさんのマーラー・シリーズは、とても印象が強いですね。フルネさんとの「ラストコンサート」も感動的だった。素晴らしい指揮者やソリストと協演できることを、とても幸せに感じます。
 私は今年入団14年目で、経験を重ねた良い部分と、慣れてしまって良くない部分と両方ある気がしていますが、初心を忘れずに弾いていきたいなと思っています。

(『月刊都響』2012年5月号 取材・文/友部衆樹)

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