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ニュース一覧 2018.11.02 up

レポート

第7回 楽員国際交流事業レポート
(シンガポール交響楽団副首席ホルン奏者/マーク=アントワーヌ・ロビヤール氏)

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本番(9月22日)© Rikimaru Hotta



 東京都交響楽団は2009年度より、シンガポール交響楽団との楽員交流事業を実施しております。この事業は、東南アジアのオーケストラとして活躍の場を広げるシンガポール響と互いに演奏家を派遣し、交流を行っているものです。
7回目の実施となった本年度は、都響から首席ファゴット奏者・岡本正之が5月1~7日までシンガポールに滞在しました。シンガポール響からは副首席ホルン奏者マルク=アントワーヌ・ロビヤールさんが来日。今回はロビヤールさんのレポートを掲載します。

音楽の情熱を世界へ届ける ―― マーク=アントワーヌ・ロビヤール(シンガポール交響楽団副首席ホルン奏者)


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本番(9月22日)
© Rikimaru Hotta

 このたび私は、9月19~22日に日本を訪れ、都響と共演させていただき大変嬉しく思います。もともとオリヴァー・ナッセンが指揮するはずのコンサートでしたが、残念ながらマエストロが亡くなったため、彼の《フローリッシュ・ウィズ・ファイヤーワークス》を演奏しました。この作品とともに、ホルストの《惑星》は、オーケストラ曲の中で私が最も愛する作品です。また、私は演奏には加わりませんでしたが、武満徹の《オリオンとプレアデス》(チェロ独奏/ジャン=ギアン・ケラス)も取り上げられました。ナッセンに代わり、ローレンス・レネスが指揮しました。

 滞在中は楽しく過ごすことができました。マネジメントや舞台のスタッフさんたちにも大変感謝しています。シンガポールから誤ったステージ衣装を持ってきてしまった私のために、ジャケットとネクタイを急ぎ手配してくださったのでした!



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リハーサル室で(9月21日)

 品川駅近くのホテルから東京文化会館リハーサル室までの移動は簡単でした。私は通常、ウォームアップと練習のために、リハーサル開始の30分前には会場に入ることにしていますが、すでにほとんどの楽員の方が来て練習していました。どなたも非常にプロフェッショナルで、リハーサルはスムーズに運びました。皆さんが熱心で献身的であり、常に音色の質感、イントネーション、そしてアンサンブルに多大な注意力を払っておられました。レネスの指示は明快で、適切で、いつでも親切でした。


 以前にシンガポールで一緒に演奏した五十畑勉さんと岸上穣さんをはじめ、皆さんとお会いできたことも大きな喜びでした。私はナッセンでは第3ホルンを、ホルストでは第5ホルンを演奏しました。皆さんとの絆を深めることができましたし、仕事中もそれ以外の時間も楽しく過ごすことができました。



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左から五十畑勉(2013年の国際交流事業でシン
ガポール響に参加)、岸上穣(エキストラでシンガ
ポール響に参加したことがある)、マーク=アント
ワーヌ・ロビヤール、有馬純晴(首席ホルン奏者)
© Rikimaru Hotta

 本番は9月22日、東京芸術劇場でした。ホールはほぼ満席で、聴衆はとても熱心に耳を傾けてくださり、本番での演奏もうまくいきました! 私の滞在が終わりに近づいたとき、この交流プログラムに以前参加したシンガポール響の私の同僚たちに、よろしくお伝えください、と多くの方が声をかけてくれました。

 この素晴らしい機会を与えてくださった都響とシンガポール響に感謝いたします。この楽員国際交流プログラムが末長く続くことを願ってやみません。異なる環境に身を置き、様々な視点から音楽を見つめ、多くを学ぶことができるばかりでなく、新しい友情を育むことができます。国や言語や様々な違いを超えて、人々がともに集い、音楽への情熱を讃え、その情熱を世界中の聴衆に届けること。それこそが、音楽にとって大切なことなのだと実感しています。 

マーク=アントワーヌ・ロビヤール 出演公演:2018年9月22日
第861回 定期演奏会Cシリーズ

(訳/飯田有抄 『月刊都響』2018年11月号より転載)

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