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ニュース一覧 2017.07.19 up

公演情報

ヤクブ・フルシャ インタビュー(7月定期C)

スークはチェコの音楽史の中で非常に重要な作曲家で、ドイツ音楽におけるマーラーと同じように巨大な存在です。

取材・文/小田島 久恵(音楽ライター)

Jakub HRUSA
© Rikimaru Hotta

 7月の定期演奏会でスーク(1874~1935)の円熟期の作品・交響詩《人生の実り》op.34を取り上げるフルシャ。これまでにも組曲《おとぎ話》、交響曲第2番《アスラエル》など、故国チェコの作曲家スークを積極的に演奏してきたフルシャにとって、交響詩《人生の実り》はさらに特別な意味をもつ曲だという。

 「スークはチェコの音楽史の中で非常に重要な作曲家で、ドイツ音楽におけるマーラーと同じように巨大な存在です。その中でも《人生の実り》は複雑で、インスピレーションが豊かで、非常に高い演奏技術を要する作品なのです。タイトルが示すように、作曲家が創作の中で成熟の極みに達したとき――厳しい人生を乗り越えて、生きることのバランスをさらに模索しながら突き進んでいたときに書かれました。これまでも日本の聴衆の皆様にはいくつもスークの作品を聴いていただきましたが、この作品では作曲家の到達点を聴くことができると思います」

 フルシャがスークの《人生の実り》の楽譜と運命的な出会いを果たしたのは、彼が17歳のときだったという。

 「1999年2月のことでした。プラハの街を歩いていて古い楽譜屋の前を通りかかり、とても大きなスコアを見つけたのです。到底買えないだろうと思っていたのですが、値段はたったの3ユーロ。テーブルのようなスコアを抱えて帰りました。買ってはみたけれど、1ページ目から意識を失ってしまうような世界で(笑)。しかし、読み込むうちにどんどんスークの複雑な世界に引き込まれていきました。それまで趣味で音楽をやってきた私が、本格的に人生を音楽に捧げようと思ったきっかけが、この曲との出会いだったのです。プラハにいたのは1日か2日で、そのあと故郷のブルノへ帰ったので、本当に偶然としか言いようがありません。繊細で何層もの美がちりばめられ、スークの後期ロマン派の特徴が鮮烈に表れている曲です」

 フルシャの青春と、現在につながる情熱が詰まった特別なスーク作品。都響との共演でさらに指揮者の濃密な想いが溢れ出しそうだ。

2017年7月22日(土)14:00 東京芸術劇場コンサートホール
第837回 定期演奏会Cシリーズ

指揮/ヤクブ・フルシャ
女声合唱/新国立劇場合唱団 *

ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 op.90
スーク:交響詩《人生の実り》 op.34 *

【13:35~】ヤクブ・フルシャによるプレトークあり

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